雪道での運転(スノードライブ)は、特に未経験者にとってやっかいなものです。そして経験者だからといって安心できるものでもありません。
危険なのは誰もが同じなのです。スノードライブを少しでも安全にそして快適に行っていただくために、 D−ClubのWebMaster直伝のドラテクをお教えしましょう。
ゲレンデに着く前に惨めな思いをしたくない人は必読です。
◎出かける前のチェック
1.タイヤ
言うまでもなくスノータイヤが必須。最近は、特にこだわらない限りスタッドレスタイヤになっているはず。要注意なのは溝の減り具合。
あと、ほとんど使っていなくても、コンパウンドは時と共に劣化するもの。古いタイヤは思い切って交換するべし。
2.チェーン
タイヤチェーンなんてダサくて!と思っているあなた! チェーンをバカにしているとそれ以上にダサい思いをするのは必定。必ず持っていこう。「現地で調達すればいいや」というのも大間違い。必要なときに店があるとは限らないのが雪山の常。そして売り切れのこともある。さらに雪は突然に降ってくる。
要チェックなのは、サイズと付属品。せっかくのチェーンも無用の長物とならないように購入の際は確認が必要。
3.バッテリー
帰ろうとしたら、セルモーターが回らない! ということにならないように、古いバッテリーは早めに交換。
バッテリー液も事前に確認しておくこと。
4.不凍液
今時不凍液の入っていない車などないとは思うが、意外に多いラジエータの凍結事故。
あなたはラジエータに水道水を補充してばかりではありませんか?
5.軽油
大山ではよほどのことがない限り問題ないが、極寒の地に行く場合は、軽油が凍ってしまうことがある。
凍らぬ先に寒冷地用の軽油を。
◎持ち物
(1) 必需品
1.タイヤチェーン
前に言ったとおり。4WDでも必須。嘘だと思う人はスタックの可能性が無限大。
2.牽引ロープ
運悪くスタックしたときのお助けマン。丈夫なワイヤーがベスト。これがなければおネエさんを助けてあげることもできない。
3.懐中電灯
スキーから帰るときは暗くなるのが普通。根性のある人は暗いうちから出発。となると、チェーンを付けるときなどになくてはならないもの。
4.ブースターケーブル
セルの回しすぎ、バッテリーの劣化などで、エンジン始動ができないときに、 これがあればお隣さんからちょっと拝借ができる
5.軍手(の類)
雪の上で素手でチェーンをかける辛さを味わいたくなければ、そして大切なスキーグラブを汚したくなければ持っていたいもの。

最近はこんな腕がすっぽり入るゴム手袋もある。
6.スコップ
スタックしたとき、チェーンをかけるときなどに雪の移動をするのに必要。スタックして道路をふさいでいても、
これを持って仁王立ちしていれば、普通の人は文句を言わない。 もうひとつ。路上に違法駐車して除雪車にベルリンの壁を作られてしまったとき、これを崩壊させるために必要。除雪した雪は堅いぜ!
(2) あれば便利なもの
1.ブラシ・スクレーパー
 要するに、雪落としと凍結部分のかき落とし用具。一般にセットになっていることが多い。
凍結した窓ガラスはヒーターの力だけで溶かすにはかなりの時間が必要。
2.融雪剤・潤滑油
凍った窓ガラスや鍵穴を溶かすために使うのが融雪剤。鍵穴が凍らないようにするのが潤滑油。
どちらもなければガムテープを貼っておくだけでも効果は大。
3.針金
チェーンが切れたときの応急処置用。筆者は某高速道路上でチェーンが切れ、大切な披露宴に遅刻した経験あり。
4.防水マット(の類)
チェーンを付けるときの下敷き、スタックしたときの滑りどめ、窓が割れたときの風避け(普通は使わないって!)など、いろいろ役に立つ。
5.帽子
スキー場以外でも雪は降ってくるとしたもの。髪が濡れると風邪を引く原因ともなる。
◎タイヤチェーン
雪道の守護神「タイヤチェーン」。一口にチェーンといってもいろいろなタイプがあり、それがまた一長一短。自分の用途と懐具合で決めるしかない。
(1)金属チェーン
1.従来からの梯子形
堅牢、安価。駆動力は高く、制動力も高いが、横方向にはからっきし。あと、伸びる、重い、錆びる、振動が大きい、つけるのに手間がかかるなどの欠点あり
(ずいぶん多いな)。
2.亀甲形
駆動力は梯子よりやや落ちるが、横方向にはまし。あとは梯子と同じ。
3.新型
装着手間を簡易にした新型もあるが、その分値段も高いみたい。
(2)非金属チェーン
ゴムや樹脂、それに一部金属を使用したものなどいろいろなタイプがある。一般的に振動は低く、横方向にも強いが、グリップ力はイマイチ(特に凍結路面)で高価。
安い非金属チェーンを買うことは自殺行為に等しいと言えよう。
◎チェーンの付け方
タイヤチェーンは駆動輪につける。前輪駆動車なのに後輪にチェーンを巻き、スタックしてはチェーンに毒づいても後の祭り。たすき掛けなどもってのほか!(こういう人がいるんですよ)
4WD車の場合、後輪に巻くのが一般的。4輪とも巻くと最強? チェーンを買ったら、まずお店で付け方を教えてもらう。教えてくれない店で買った場合は、自分でまずつけてみる。そうしておかないと、吹雪の夜道で一人泣くことになる。
◎駆動方式による留意点
1.後輪駆動(FR)
雪道には最も弱いタイプ。リアタイヤがスリップ(尻振り)するし、その分駆動力も不足する。早めのチェーンしかない。
2.前輪駆動(FF)
後輪駆動に比べるとスノードライブは随分楽。何より姿勢が比較的安定しているのがよい。
但し、上り坂では重心が後ろに移動するので、駆動力が不足する。下りではリアタイヤのグリップ不足。やはりチェーンの力を借りる必要がある。
3.四輪駆動(4WD)
雪道に最も強いのが言わずとしれたこのタイプ。ただし、事故が多いのもこのタイプ(ほんとですよ)。
原因は4WDの特性の理解不足と過信。確かに普通の上り道ではチェーンの必要など全く感じさせない高い駆動力と制動力を持っている。
これがアイスバーンとなると他のタイプ以上に始末が悪くなる。要するに、タイヤが道路をグリップしないことには四駆だろうがなんだろうが全く一緒。
おまけに四輪そろってホイールスピン。そうなると、あとはどこへ行くかは道まかせ、運まかせの世界。だから、 四駆だからといってノーマルタイヤで走るというのは言語道断! 四駆の過信は禁物(四駆で何度もひどい目に遭っている筆者が言うのだから間違いなし!)。
もうひとつ。最近のRV車は車重が重いものが多くなっている。滑り出したら、重い分あとは慣性の法則とやらに従うだけとなり、もう誰にも止められない!
4.共通
車はタイヤが地面をこすってその抵抗力で走っていることを常にお忘れなく。そして、どんなに重装備で細心の注意を払って運転していても、
突然グリップを失うことはよくある話。くれぐれもラリードライバーなどを気取って走らないように! 雪上車でさえスリップするって知ってます?
「スリップは忘れた頃にやってくる」
◎ひとりごと
筆者の経験では、自分の運転と車に自信を持っている人ほど危険度が高いと思っています。
こちらの忠告、制止を無視する人は大半がスタックしたり事故ったりします。そしてその度に、押したり、 引いたりで半日くらいその場から動けないことすらあります
(何しろ次から次へとハマるんです)。最後には「俺はJAFではない!」と叫びたくなってしまいます。 当然その間は交通渋滞です。他人のせいで車が進まないのは本当に腹が立つものです。私には「お互いに気をつけましょう」としか言えませんが・・・。
とにかく、面倒でもチェーンの装着でしょう。これに勝る自衛手段はないと思います。大山の凍結路面は、立って歩けないほどツルツルになります。
昨シーズン、大山から夜道を4WD車でチェーンをつけずに下っていましたところ、ローギアでアクセルを離しているにもかかわらず、
スピードがどんどん上がっていくのです。尻の下からは「ズルズル」という変な音が・・・。そうです! アイドリング状態でタイヤが空転しているのです。幸い華麗な(?)ステアリングワークで道路から外れはしませんでしたが、
まぁ、グリップが戻るまで生きた心地がしませんでしたね。皆さんにはそのようなことがないようにお願いをしたいと、心の底から思っています。
スノドラ教室(その1)は、これでおしまい。その2では、実際の雪道での運転テクニック・駐車テクニック(要領?)を伝授します。お楽しみに。
|