学ぶオンライン大山自然図鑑





大山の昆虫


ハイキングをここでちょっとひと休み。腰をおろして、木の陰や地面を
じっと見つめていると、大山の小さな住人たちの姿が見つかるはず。
中には、大山でしか見られない、珍しい仲間もいますよ!。

蝶の仲間 カブトムシの仲間 その他の仲間

 
蝶の仲間

ミヤマカラスアゲハ(アゲハチョウ科)

平地に生息するカラスアゲハより金緑色を帯び美しいです。7〜8月ごろに羽化する 夏型は、大山に通じるいたるところで、湿地や水を求めて多数群がって吸水している 光景によく出くわします。それらの蝶は不思議と雄ばかりなのです。


ヒメキマダラヒカゲ(ジャノメチョウ科)
原産地日本に持つ蝶です。北海道では平地でも見られますが、南下するに従って 山地性となります。この性質から、大山では標高600m以上のブナ林など湿った 感じの場所に多いです。大山寺周辺では、ややすばやく渡り飛ぶ姿が見られます。 5月ごろに羽化し、10月ごろまで飛び回っています。


フジミドリシジミ(シジミチョウ科)
富士山で最初に発見されたのでこの名前がつけられました。大山はこの蝶の名産地で、 毎年のように数百頭の群れが乱舞するといわれていますが、ブナ林の樹上高く飛翔 するためほとんど身近に見ることができません。悪天候の翌朝早く下草に休んでいる ことが多いです。


ダイミョウセセリ(セセリチョウ科)

前の羽根だけでなく後ろの羽根にも白紋があります。関西地方特有の蝶が大山に生息 しています。横手道や有料道路の葉上でよく見られます。成虫は5〜9月にかけて 3回出現します。


ヒメキマダラセセリ(セセリチョウ科)


大山では中の原、桝水原、鏡ヶ成周辺から平地まで下ったすそ野まで広く生息して います。発生は5〜6月と8〜9月にかけてのものがあります。


キンモンガ(フタオガ科)

羽根を開いた長さが35〜45mmで黒地に紋を持ったものが多く、白い紋を 持ってるものもいます。7〜9月ごろに横手道を歩いていくと、この蛾が道沿いの葉上に 止まっていたりヒラヒラと舞っていることがあります。
 
カブトムシの仲間
ミヤマクワガタ(クワガタムシ科)
カブトムシと共に人気を二分するクワガタの仲間。角のはさむ力は強大でけんかを させると前脚で踏ん張って自分を少しでも大きく見せようとして角を広げて戦おうと しますが、普段、進んで戦うことはまれです。大山中腹よりも山麓の広葉樹林に多く 甘い樹液に集まります。ミヤマクワガタより、ノコギリクワガタの方が個体数が 多く、7〜8月にかけて出現します。


カブトムシ(コガネムシ科)

自分の体重の100倍のものをひっぱっる力があるというコガネムシ科のうち 日本最大の種類のものであります。口を木の割れめにさしこんで甘い汁を吸います。


ヒメコブヤハズカミキリ(カミキリムシ科)

1934年、大山で最初に発見されました。体長が14〜22mmと小さいですが、 雄の触角は、体の2倍もの長さがあります。7〜8月ごろ、夏山登山道のブナの倒木 上や大山寺付近の苔むした石の上などをゆっくり歩いています。


ダイセンカミキリ(カミキリムシ科)

大山の中腹域ではじめて発見された種類です。体長8〜12mmであり触角も体長の 長さにほぼ等しいです。6〜8月ごろに出現し、下山キャンプ場やゴトウズルの枯れた つるなどにとまっていることがあります。
 
その他の仲間

カワトンボ(カワトンボ科)
腹長38〜45mmある中型トンボ。体は金属がかった緑色をしており羽根は雄雌 ともに透明または、だいだい色であり羽根の前にある斑紋が雄では赤色、雌では 白色をしているので区別がつきます。4〜6月にかけて阿弥陀川や佐陀川など、 河川の中流域に生息しています。


ダイセンニシキマイマイ(オナジマイマイ科)

名前の由来は、大山で発見された錦色をしたマイマイという意味です。1930年、 大山の山頂近くで発見されましたが、この付近より鳥取県東部に多く産します。 大山ではこれに似たイズモマイマイも生息します。